タイトル「ひろしま 都心のあした」
  パート 4  平和記念公園

     都心のあしたへ 川端トーク 
      まちの空間活用考えた


写真
元安川を挟んで原爆ドームを対岸に望みながら、広島都心について意見を交わした川端トーク

 広島市の都心について意見を交わす「ひろしま都心のあした 川端トーク」が五日、広島市中区の元安川親水護岸であった。中国・地域づくり交流会と中国新聞社の主催。川と親しむ取り組みや、平和記念公園のあり方を通して、市民の立場から公共空間を使いこなし、まちづくりにつなげる道筋を探った。

 進行役は、周南市出身の日本政策投資銀行地域企画部参事役藻谷浩介さん(39)。地元から、水辺にちなんだ市民運動「川通り命名プロジェクト」の前田文章さん(43)と「雁木(がんぎ)タクシー」の氏原睦子さん(37)に加え、日本被団協代表委員の坪井直さん(79)が話題提供者として参加した。約百人が川風を受けながら耳を傾けた。

 前田さんは川沿いの道の名付け運動から、興味や人の輪が広がる様子を、氏原さんは広島市内に三百近くある雁木を活用した水上交通の現状を報告。できることから始めて楽しみを生み出し、まちづくりにかかわる面白さを説いた。

 被爆者の坪井さんは、平和記念公園の芝生広場は開放すべきだと主張。「規制は人を信じていないから。芝を汚す人間がいたら、正すのには市民の力が要る」と、行政頼みからの脱却を訴えた。

 藻谷さんは「直接の被爆者がいなくなる将来のために、平和を体感できるまちをどうつくるかを考える時がきている。『これだ』という取り組みには金と時間を投入しよう」と市民にエールを送った。

2004.5.6