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エノラ・ゲイ展示に抗議の訪米 被爆者応援メール続々 '03/12/11

 広島への原爆投下機エノラ・ゲイ展示に抗議するため、訪米を予定している被爆者の元へ、嫌がらせの中傷メールが相次いだのに対し、それを四倍も上回る励まし・支援メールが国内外から寄せられている。広島県原水禁の派遣団は意を強くして十一日、出発する。

 原爆を正当化する内容が目立ったメールは四日までに計四通、派遣団メンバーの一人小倉桂子さん(66)の元へ送り付けられた。中国新聞などが報道した五日以降、国内外から、派遣団を応援するメールが十六通届いた。

 大阪府在住の男性(29)は「原爆に、正義も何もあったものではない」と力説。日本人女性の一人は「米国の友人は劣化ウラン弾を知らなかった。(事実を)知れば必ず戦争のおろかさ、残虐さを分かってくれる」とつづり、自ら核兵器の被害を友人に伝える決意で結んでいる。

 シドニーに住むオーストラリア人男性は「博物館は核兵器の使用をたたえるのではなく、核兵器の恐ろしさを世界中に教育すべきだ」。カリフォルニア州の米国人男性は「多くの米国人が抗議団を支持する。(エノラ・ゲイは)次世代まで倉庫にしまったままにしてほしい」と訴えている。

 小倉さんは「知人からの励ましも含めると二十通を超え、元気づけられた。反響を現地で伝えたい」と喜んでいる。

 一行三人は十一日朝、JR広島駅を出発。エノラ・ゲイが展示されるスミソニアン航空宇宙博物館の新館(ワシントン郊外)を訪問し、原爆被害の悲惨さを伝えるよう求めるほか、現地で平和集会や会議に参加する。

【写真説明】エノラ・ゲイ抗議派遣団を応援するメール。国内外から寄せられている



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