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ヒロシマ抗議団、米へ出発 エノラ・ゲイ公開 '03/12/12


 ▽「被爆体験伝える」

 米スミソニアン航空宇宙博物館が、広島に原爆を投下したB29爆撃機「エノラ・ゲイ」を原爆被害の説明抜きで一般公開することに抗議するため、広島県原水禁が派遣する訪米団三人が十一日、広島から出発した。

 JR広島駅で新幹線に乗り込む前、県原水禁常任理事で被爆者の坪井直さん(78)=広島市南区=は「エノラ・ゲイの下で何が起こったのか、真相を伝えたい。多くの人たちの思いを肩に担ぎ、しっかり被爆体験を話してくる」とあいさつ。通訳会社を経営する被爆者の小倉桂子さん(66)=中区=、被爆二世の高校教諭角田拓さん(40)=東区=とともに、見送りに来た被爆者たちから激励を受けた。

 一行は、ワシントン郊外にあるスミソニアン航空宇宙博物館の新館で十五日午前(日本時間十六日未明)に始まる一般公開に合わせ、日本被団協が派遣する被爆者や現地の平和団体とともに抗議行動を展開。ジョン・デイリー館長に、原爆被害を併せて展示するよう求める。

 坪井さんたちは、ワシントンでの平和関連の集会やシンポジウムにも参加。被爆体験や平和への思いを訴え、十八日に帰国する。

【写真説明】「エノラ・ゲイ」展示に抗議するため、米国へ向けて出発する右から角田さん、坪井さん、小倉さん(JR広島駅)



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