【ワシントン15日岡田浩一】米国ワシントン郊外のスミソニアン航空宇宙博物館新館が十五日午前十時(日本時間十六日午前零時)にオープンし、広島への原爆投下機エノラ・ゲイの一般公開が、計画通り原爆被害の説明抜きで始まった。広島県原水禁や日本被団協から派遣された被爆者たち七人は、銀色に光る機体の前で、無念の思いを新たにした。
エノラ・ゲイは、翼幅四十三メートル、全長三〇・二メートル、高さ九メートル。格納庫型の新館(広さ約七万平方メートル)に航空機や宇宙船とともに並べられている。
機体前の説明板は性能を解説。広島については「一九四五年八月六日、戦闘としては初の原爆を投下」という記載にとどめ、死傷者数や歴史的な経緯には触れていない。
抗議のため訪米している広島県原水禁常任理事の坪井直さん(78)や、日本被団協から派遣された被爆者たち七人は開館間もなく、機体の前に歩み寄って説明板の確認などをした。
その後、ともに訪れた現地の平和団体のメンバーたちと、「NO MORE HIBAKUSHA」と書かれた横断幕などを掲げて抗議した。
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