english
8・6を伝える

木原世宥子さん「I PRAY」

cd 現代の子どもたちがサッカーや縄跳びをしているところに、原爆が投下される。傷ついた人たちは「くじけちゃだめ」という声を聞き、立ち上がる。平和への願いを込めた歌やダンスも披露する。上演時間は約40分。8月6日午後2時から、広島市中区のアステールプラザで公演がある。前売り券は小学生以上1000円。

政治や民族の問題を超え/子の笑顔絶えない世界に



木原世宥子さん

きはら・ようこ

広島市南区出身。安田女子校でバトン部を創部。市内の短大を卒業後、喫茶店やディスコを経営。1980年代に中四国ディスコ協会会長を務めた。現在、ダンススタジオ「スタジオY」(中区)の代表で、小井出ファッションビューティ専門学校(南区)などで講師もしている。年齢は非公表。

原爆の惨状と、焼け野原から立ち上がる人間の力強さを描いた子ども創作劇「I PRAY」。子どもたちが平和への願いを込めて舞台に立っています。構成、演出する木原世宥子(きはら・ようこ)さんは「子どもたちの笑顔が絶えない世界をつくりたい」と訴えます。(増田咲子)

「I PRAY」の直訳は「私は祈る」です。木原さんは「戦争を起こしてほしくない、という子どもたちの祈りでもある」と説明します。

木原さんは被爆2世です。あの日、広島県大崎上島町で船会社などを営んでいた伯父は出張で広島市内に出掛けていました。一緒に暮らしていた木原さんの母や祖母、従業員が、被爆者が収容されていた学校などを回って伯父を捜しましたが、見つかりませんでした。

「まだ生きている人にうじがわいていた」「被爆者から水を求められた」。母や祖母から体験を聞いて育った木原さん。「同じ人間に対してこんなむごいことをするなんて。絶対にあってはいけない」と考えていました。

広島市内でダンスを指導していた木原さん。1996年に平和集会での出演依頼があったのを機に、この創作劇を始めました。出演するのは、自身のスタジオの生徒や公募に応じた子どもたちです。

劇に出た多くの子どもたちに心情の変化が見られます。ある小学生の女の子は母親に「産んでくれてありがとう」と言いました。勉強ばかりでつまらない毎日だと感じていた小学生は「今の生活がどれだけ幸せか分かった」と話すようにったそうです。

ことしは8月6日に広島市中区のホールで上演します。これに先立ち、24日には韓国・大邱(テグ)市で初の海外公演に挑みます。木原さんは「政治や民族の問題を超え、みんなが手をつないで一つになり、平和を考えるきっかけにしたい」と意気込みます。

東日本大震災後、子どもたちから「被災者のために何かしたい」という声が上がりました。「原爆投下後に人々が力強く立ち上がるシーンや、子どもたちの笑顔を見て元気になってもらいたい」と、被災地での公演も検討しています。


私がイチオシ☆ 中3・八木すみれ

焼け野原で母を捜す被爆者役で劇に参加します。練習していると、原爆を追体験しているような気持ちになり、怖いです。しかし、実際に原爆に遭った人はもっと恐ろしかったはずです。戦争や核兵器のひどさ、平和の大切さを伝えなければならない、と身をもって感じます。

戦争がなくなれば平和が訪れるというわけではありません。劇からは、周りの人を笑顔にすることの大切さが伝わってきます。平和のためには、言動などで相手を傷つけないことから始めることが大事だと気付かされます。


募集

広島の原爆に関するお薦め作品を10代の皆さんから募集します。住所、名前、学校名、学年、年齢、電話番号に、推薦する作品名と作者、推薦の理由を記してください。

 
お薦め作品はこちらから。全部の項目に書き込んだら、最後に送信ボタンを押してね!
推薦する作品名と作者
推薦の理由

600字以内で
記入してください
名前(必須)
性別
男性女性
住所(都道府県)
住所(市区町村)
(例:広島市中区)
電話番号
(例:082-222-2222)
メールアドレス
学校名(職業)
学年(年令)