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 長田 寿和子(上)  1日1ドル以下 でも陽気


有機肥料の作り方をケニアの人たちに説明する筆者(左)(今年1月)

ながた・すわこ

1951年長崎県生まれ。長崎大教育学部を卒業後、神戸市立の中学校で英語教師として35年間勤務した。教員生活の傍ら、国際教育のNPO法人グローバルプロジェクト推進機構(JEARN)に所属。2003年に開かれた同機構の親団体「国際教育ネットワーク」の会議を機に、10年3月「ねがい国際教育センター(AMANI Internet Centre)」をケニアのカイモシに設立し、教師を退職。同年9月から現地で子どもに日本語を教えている。

私は今、ケニアの西部カイモシという村で、日本語の指導と、夫とともにケニアの「貧困克服」に取り組んでいます。

赤道直下ですが1700メートルの高地にあり、朝夕は気温15〜20度の涼しさです。昼間は30度近くまで上がります。しかし一年中冷暖房なしで快適に過ごせます。

ここは紅茶の葉を栽培している農家が多く、一面の畑はいつでも茶摘みができ、おいしい紅茶の原料として世界各地に輸出されています。しかし唯一の現金作物の紅茶も1キロたったの12円程度。それ以外は、気候に恵まれているにもかかわらず、土地は酸性に傾き、農地はうまく利用されていません。1日1ドル以下の生活をしている農家がほとんどです。


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水道がなく、タンクがある家は雨水を利用しています。タンクを買う余裕がない家は、近くの川でくんだ水を煮炊きにまで使います。水くみは主に女性や子どもの仕事です。日に4〜5杯も頭に載せて運ぶのは大変な重労働です。

電気は近くまで電線は来ていますが、家までの引き込み線は自費で付けなければなりません。この辺の普及率は約30%です。電気がない家ではケロシンという油を燃やしたランプを使っています。しかし最近、油も値上がりし、夜、勉強する学生たちは勉学にも差し支えるし、煙が目や肺に悪影響を与え、苦労しています。

学校は日本で思っていたより数多くあります。2003年に公立の小学1〜8年の授業料がやっと無料になりました。しかし制服や教科書は有料で、ノートや鉛筆も貴重品です。かばんがなくスーパーのプラスチックの袋に教科書を入れて通う生徒やはだしの子どもが多く見られます。15歳ごろからの公立高校は有料です。自宅から通う生徒は月約2000円、寮生が約4000円かかり、現金収入の少ない家は教育費が家計を圧迫しています。

それでも教育熱心な家庭が多く、ケニアの一斉統一テストを目指して各学校の競争が激しく、地域や国内での順位が公表されます。クラスの中でも公表され「ベスト・スチューデント」の名札を付けて記念品をもらう生徒もいれば、最下位をさまよう生徒もいます。


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生活は日本の50年前ぐらいの水準ですが、携帯電話や車が入ってきて様変わりしました。紅茶1キロが12円なのに、店で携帯電話を充電すると10円かかるのです。ケニア人は話し好きで、あっという間に携帯電話の通話上限額を使い、充電費用もばかになりません。

車はよほど余裕がある家でないとありません。マタツという、ワゴン車を使った個人経営の小型バスの路線が張り巡らされています。遠出する時に利用するのですが、運賃が60円以上かかります。グローバル化が進む中、食べるだけはどうにかなった生活もどんどんお金が必要になっています。

普段は農作業で破れたり汚れたりした服を着ていても、教会に行く日曜はきれいなスーツやドレスで外出します。女性は数年前までは強い天然パーマでクリクリ頭だったのですが、最近はサロンがはやって、付け髪をしてロングヘアを楽しんでいます。道で会ったら「ハバリ(How are you?)」「ミズーリ(fine)」など気軽にあいさつし、大変陽気な村の人たちです。

 
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