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 中山 実生(上)  児童労働 最多のインド


ボーンフリーの子どもたちに、ミュージカル「平和ぞうれっしゃ」の振り付けを教える筆者(手前左から2人目、2月)

なかやま・みおい

1977年広島市東区生まれ。立教大卒業後、NPO法人国際子ども権利センター(東京)勤務を経て、2002年にインドに渡った。写真で児童労働問題を訴えるプロジェクトを展開した後、05年ボーンフリーアートスクール設立に協力。主に子どもたちへのダンストレーニングを担当しており、10年から同スクールの共同代表。インド・バンガロール市在住。

私はインド南部のバンガロール市で、ボーンフリーアートスクール(以下ボーンフリー)の共同代表を務めています。ここは、路上で生活したり、働いていたりする子どもたちのための学校です。現在10〜18歳の約20人がいます。2005年に設立しました。


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インドは、世界で最も児童労働者数が多く、日本の人口約1億3000万人に匹敵すると言われています。貧しい家庭にとって子どもは働き手で、子どもを学校に行かせることができない親が多いのです。

ボーンフリーの子どもが、路上に住む友達に声を掛けて誘ったり、その親を説得したりして、学校に来るようにします。私たちは、音楽やダンス、演劇など子どもが興味を持つ「アート」を指導する中で、勉強の大切さを実感させています。例えば、写真を撮影させ、作品にタイトルを付けるよう指示します。そこで子どもは「字が書けないといけない」と気づき、勉強したいと思うようになります。

子どもは、親の愛情を十分に受けていないだけでなく、虐待を受けたり、親の自殺現場に居合わせたり、トラウマ(心的外傷)を持っているケースがほとんどです。この子たちが「アート」に取り組むことで自己表現ができ、自信と自尊心を持てるようになります。薬物中毒だった子が、将来の夢を描くようにもなります。

ボーンフリーは、平和活動もしています。インド政府は、教育費の300倍もの軍事費を使っています。パキスタンとの友好関係を築けば、軍事の代わりに教育にお金をかけ、児童労働廃絶(はいぜつ)につながるからです。


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08年、私たちは子ども35人と、バンガロール市からパキスタン国境まで3000キロの自転車平和ラリーをしました。道中、インドの子どもからパキスタンの子どもに宛てた平和メッセージ7000通を集めました。06年には、子どもたちが児童労働の写真を3万枚撮影。インドの国会に提出し、児童労働の廃絶に向けて州政府が速やかに対応するよう、国会で決議されました。

児童労働から抜け出した子どもたちに、非暴力を唱えたマハトマ・ガンジーの精神を受け継ぎ、教育の権利の保障を訴え続けてほしいと願っています

 
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