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ヒロシマ・ナガサキ宣言を読む
ノーベル平和賞 17人の思い凝縮

今年のノーベル平和賞がオバマ米大統領に決まりました。12月には、ノルウェーの首都オスロで授賞式が開かれます。

今回、ジュニアライターはノーベル平和賞受賞者が5月に核兵器廃絶に向けて発表した「ヒロシマ・ナガサキ宣言」について調べました。17人の平和賞受賞者が、来年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けて、核兵器の廃絶を呼び掛けています。

取材するまで宣言の存在を知らなかった人もいたし、文章を読んでなかなか意味が理解しにくかったところもあります。核兵器をめぐる情勢やその背景などを調べていくうちに、宣言が訴えていることの大切さを感じました。

より宣言の効果を上げるために、提案も考えました。NPT再検討会議まであと半年。核兵器廃絶に向けた大きな一歩となるよう願っています。

ヒロシマ・ナガサキ宣言全文

宣言の中のマーカー部分=色の付いたところ=をクリックすると解説が読めます。
(解説は中3・高木萌子、中1・坂本真子が担当しました。)
ヒロシマ・ナガサキ宣言全文 NPT再検討会議 オバマ演説 核兵器保有国 被爆者の呼び掛け 被爆者の呼び掛け アルバート・アインシュタイン クラスター爆弾 無差別兵器を禁止する条約




ヒロシマ・ナガサキ宣言は、来年5月に米国ニューヨーク国連本部で開かれるNPT再検討会議に向けて、核兵器廃絶の世論を高めようとノーベル平和賞受賞者17人が今年5月に発表しました。

 呼び掛けたのは北アイルランドのメイリード・マグアイアさんです。武力衝突が起こっていた母国での紛争停止や暴力反対を訴え、1976年に平和賞を受賞した人です。中国新聞ヒロシマ平和メディアセンターの田城明センター長が昨年12月、フランスの国際会議で会ったときに話が持ち上がったそうです。

 宣言文はマグアイアさんや他の女性受賞者たちが中心となり、メールのやりとりをして作りました。これまで個人でノーベル平和賞を受賞した生存者30人(当時)全員に賛同を呼び掛け、ケニアの環境活動家ワンガリ・マータイさんやチベットのダライ・ラマ14世らが署名を寄せました。この宣言は日本の国会や新潟で開かれた国連軍縮会議で紹介されたほか、日本各地の新聞や外国のインターネット新聞でも報道され、世界に広がっているそうです。

 「宣言を読んで一人一人が核兵器をなくすことを考え、政府に手紙を書いたり折り鶴を作ったりして行動してほしい」と田城センター長は話します。  

(高1・高田翔太郎)

賛同者17人の名前と略歴などは、ヒロシマ平和メディアセンターのホームページで読むことができます。

ヒロシマ・ナガサキ宣言 私たちは提案します


(1)平和賞受賞者以外も署名を

ヒロシマ・ナガサキ宣言に署名しているのはノーベル賞受賞者の中で平和賞受賞者だけです。他の分野の受賞者にも、署名してもらいましょう。物理学や化学は兵器を作る技術につながっています。科学技術が二度と兵器の開発に使われないようにする意味もあります。文学賞や医学賞などの受賞者に署名をしてもらえば、もっと影響力が強くなると思います。

(2)平和賞授賞式でPR

今年はバラク・オバマ米大統領が平和賞を受賞しました。ノルウェーの首都オスロで12月にある授賞式でヒロシマ・ナガサキ宣言を紹介してもらえば、オバマ大統領が賛同してくれるかもしれません。そうなれば署名者の数が増えるだけでなく、たくさんの人にこの宣言を知ってもらえるでしょう。来年以降も新しい受賞者に署名してもらえば良いと思います。このたびの来日では予定されていませんが、もしオバマ大統領が広島を訪れて署名すれば、核兵器廃絶に向けた動きが一気に高まると思います。

(3)資料館で紹介してもらおう

ジュニアライターの中にも、宣言を知らない人がいました。子どもだけでなく大人にも、あまり知られていないのではないでしょうか。そこで、原爆資料館(広島市中区)にパネルを置いて紹介してもらってはどうでしょう。

今の展示では写真や映像を通じて原爆投下直後の様子を知り核兵器の悲惨さを学ぶことができます。その後、宣言を読んで世界が核兵器廃絶に向けて動きだしていることを知れば、「自分も行動しなければ」と考えてもらえると思います。資料館には国内外からたくさんの人が来るので、いろんな人に知ってもらえるチャンスです。過去の悲惨な出来事を知るだけでなく、核兵器廃絶という希望があふれる場所になってほしいです。

(4)市民版署名を呼び掛けよう

ヒロシマ・ナガサキ宣言はノーベル平和賞受賞者が賛同していることで影響力がありますが、一般市民も協力したらどうでしょう。市民版署名を集めるのです。例えば、世界中にある平和市長会議加盟都市などに呼び掛ければ、多くの署名が集まるはずです。集めた署名を、来年開かれるNPT再検討会議に参加する人に渡し、核兵器廃絶への努力を呼び掛けます。

(5)子ども記者も協力

私たちジュニアライターも日本や海外の子ども記者や、毎年開かれる国際青少年メディアサミットなどに参加する子どもたちに宣言のことを報道してもらうよう提案します。そうすれば、世界中の同じ世代に宣言の存在を知ってもらうことができます。

(高2・村重茜、高1・坂田悠綺、中2・井口優香、中1・木村友美)