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平和って何? 8・6アンケート

原爆投下から65年を迎えた広島。平和記念式典が行われた8月6日、平和記念公園(広島市中区)を訪れていた134人に、いろいろな視点から「平和」についてアンケートしました。暮らしの中での「平和」は、家族や友だちと過ごす時間を挙げる人が多かったです。今の世界の「平和度」の平均は44・6%。100%にはまだまだ遠いようです。「平和」については「笑顔」「愛」を絵や字で表現する人が目立ちました。

国連の事務総長として初めて式典に参列した潘基文(バンキムン)さん(66)への単独インタビューもしました。「平和」について潘さんは「核兵器のない世界実現」と日本語で表現。また、子どもたちに対し、広い視野を持つ「世界市民」になるよう呼び掛けました。

潘基文国連事務総長インタビューはこちら
Q「平和」のイメージやメッセージを表現してください。

 ― 愛・笑顔・きずなの産物

最も多い32人(複数回答)が挙げたのは「愛」でした。国籍を問わず、ハートの絵を書いた人がたくさんいました。「ラブ・アンド・ピース」とハートの中に書き込んで平和を強調した人、ハートの絵とともに「みんなの心にいっぱいの愛を届けよう」と文章を書いた人もいました。

次に「笑顔」が30人でほぼ並びました。笑っている顔の絵もあれば、笑顔で家族や世界の人々が手を取り合っている絵も目立ちました。広島市東区の中学1年生は漢字で「笑いが一番」と大きく書きました。

3番目に多かったのは「地球」の絵で8人いました。

外国の人は海や湖、林など自然の風景を描いた人が目立ちました。なぜ、そうなるんだろう、と印象に残っています。

「一人でも平和でない人がいたら、つくれないもの」(仙台市の大学1年生)「どんな人でも安心することのできる世界」(広島市西区の高校1年生)という回答には、私も納得しました。(高3・村重茜)

愛  32人
笑顔 30人

ジュニアライターの取材の様子

地球 8人
その他
Qあなたは生活の中で、どんな時に最も平和を感じますか?
Qどうすればもっと平和を感じる時が増えると思いますか?

 ― キーワードは「家族」「友達」

取材で浮かび上がったキーワードは、「家族」と「友達」の二つでした。

「家族といる時に平和を実感する」と答えた人が、30人(複数回答)で最も多かったです。具体的には「家でのんびり食事するとき」「家族とのおしゃべり」「家族が朝、全員顔を合わせるとき」などです。多くの人にとって、家族がみな健康で笑顔で顔を合わせることが一番平和のイメージにつながっているようです。

次に多かったのは「友達」です。14人(複数回答)が挙げました。「友達と一緒にいるとき」「友達と遊んでいるとき」「友達とのおしゃべり」「友達と笑いあっているとき」などという意見です。「フェースブックで友達とつながっているとき」と答えた米国の中学生も2人いました。

「友達や家族といるとき」と二つのキーワードを並べた人も9人いました。一方で「毎日、平和を感じることがあまりない」という人もいました。(高3・楠生紫織)

フェースブック インターネットの会員制交流サイト「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)」。仲間たちと日記や写真などの情報が共有できる。
Q今の世界の平和度は何%だと思いますか?
Qそれはなぜですか?どうすれば100%になると考えますか?

 ― 平均50%未満 戦争なくす努力を

平和度の平均値は、44・6%でした。私は、日本がかなり平和だと思っていたので、平和度の平均は50%を超えると予想していました。現在の世界はまだまだ平和とは程遠いと思っている人が多いのに少し驚きました。

平和度を最も高く答えた人は90%です。2人いました。100%に近づけるためにはどうしたらいいか。広島市佐伯区の小学4生は「けんかをしない」。スペインの教師(35)は「困っている人を助け、争いや戦争をせずにもっと対話する」と回答しました。

一方、0%も2人いました。その理由について福山市の会社員(42)は「戦争がまだ終わっていないから」と答えました。広島市安佐南区の大学1年生は「(今の世界は)自分の利益で動いている人たちばかりだから」と書いていました。

平和とは戦争をなくすことであり、核兵器をなくすことだという考え方が目立ちました。また、「格差」や「貧困」をなくす努力を求める声もありました。

自殺者が毎年3万人いることを平和でない理由として挙げるが人がいました。私は自殺者がそんなに多いとは知らなかったのでとても驚きました。自ら命を絶つ人が相次いでいる社会は、私も平和ではないと思います。(高1・今野麗花)



このページは、高3・村重茜、見越正礼、楠生紫織、高2・岩田皆子、古川聖良、高1・今野麗花、中3・井口優香、石本真里奈、中2・吉本芽生、木村友美、来山祥子、大林将也、坂本真子、佐々木玲奈、中1・井口雄司、河野新大が担当しました。