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■特集 被爆60周年プロジェクト「広島世界平和ミッション」
40年前の平和巡礼参加者・森下弘さん '04/1/1

 橋渡しの使命 実感 

ワールド・フレンドシップ・センター理事長
森下 弘さん
(73)=広島市佐伯区五日市中央1丁目

 「ヒロシマを世界にどう伝えればいいのか、貴重な体験ができた」。広島・長崎世界平和巡礼団の足跡を記録した世界地図を見やりながら言った。

 当時は県立廿日市高校の教諭。学校挙げて壮行会を開いてくれた。大半の参加者同様、海外旅行は初めてだった。

 米サンフランシスコで高校を訪ねた。理科の授業中、「原爆投下は正当だったか」をめぐって、生徒が討論会を開いていた。「核兵器と真剣に向き合う人が、米国にもたくさんいることに驚いた」

 南部の町では高校教諭に尋ねられた。「米国では黒人の差別問題が深刻なのに、教科書には出ていない。日本の教科書は原爆について、詳しく載っているのか」

 帰国後、教科書を何冊も見返した。記述はほとんどない。巡礼前はためらっていたが、顔にケロイドの残る自らを「教材」に教壇で語り始めた。同僚や他の被爆教師らと副読本も作った。

 旧ドイツでは、冷戦の象徴であるベルリンの壁を目の当たりにした。米ソ両国の政治指導者にも会った。東西冷戦の緊張と、互いの疑心暗鬼を肌で感じた。が、本心はどちらも平和を求めていた。「ヒロシマには対立する両者にそのことを伝える役割があると強く感じた」と言う。

 巡礼団への参加が縁で、今もバーバラさんが残したワールド・フレンドシップ・センターの理事長を務める。「バーバラさんなら紛争が続く中東へもきっと行くはず。世界が危機に直面している今だからこそ行動が大切」と、二十一世紀の平和ミッションに期待を寄せる。

【写真説明】「世界に真の平和が訪れるまで、ヒロシマを訴え続けることが大切」


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