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■特集 中国編 戦争記念館を訪ねて
日中関係映す「歴史認識」 '04/8/3

 「広島世界平和ミッション」の第二陣は、中国の人々と対話を重ねる中で、日本の侵略のつめ跡も訪ねた。北京からハルビン、南京、上海と、抗日戦争(日中戦争)の歴史を展示する記念館を見学した。強烈な展示や説明文、疑問を抱かせる写真もある。しかし、日本が中国に軍を派兵して民衆も殺りくしたのは紛れもない歴史。各地の戦争記念館と、中国がいう「正しい歴史認識」とは何なのかを、専門家へのインタビューとともに紹介する。(文 編集委員・西本雅実、写真 荒木肇)

 抗日戦争がテーマの戦争記念館が誕生したのは、実はそれほど昔のことではない。一九八〇年代からの日本とのぎくしゃくする政治的な関係を反映している。

 日本政府が教科書検定で「侵略」を「進出」に書き換えさせたとの八二年の報道をきっかけに、中国政府は七二年の国交正常化からの対日政策を転換する。日本の「歴史認識」を一貫して政治問題に取り上げるようになった。

 そして「抗日戦争勝利四十周年」の八五年を期すように、ハルビンに「侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館」、南京に「侵華日軍南京大虐殺遇難同胞記念館」ができ、北京では「中国人民抗日戦争記念館」が二年後に正式開館した。

 日本は八五年、「戦後政治の総決算」を掲げた当時の中曽根康弘首相が靖国神社を公式参拝。中国側は「侵略の責任を認めよ」と、さらに日本批判の声を強めていく。

 「改革・開放」の一方、江沢民氏が国家主席(現・中央軍事委員会主席)だった九〇年代半ばからは「愛国主義教育」が徹底して行われる。各地の戦争記念館は、共産党中央や地元政府の「教育基地」となり、小・中学生からの見学が推奨される。

 経済発展を象徴する上海に「淞〓抗戦記念館」の建設が計画されたのは「抗日戦争勝利五十周年」の九五年。開館は二〇〇〇年と新しい。

 小泉純一郎首相の靖国神社参拝を機に、日中両国首脳の相互訪問は〇一年から中断し、「冷えた政治」の関係が続く。この間、各地の戦争記念館を運営する市の政府は入場無料に踏み切り、展示スペースや資料の拡充にも努めている。

 「日軍の残虐ぶり」を伝える写真は、いつどこで、誰が撮ったのか、出典が明示されていないものが多い。それらの中には「皇軍」の「勇壮」ぶりを報じた当時の日本の新聞記事が使われている。

 【お断り】〓はさんずいの右側に所の左がわのとだれを書きますがJISコードにないため表示ができません


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