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■特集 ウクライナ編 核の現状
オレクサンドル・アントロポフ チェルノブイリ原発常駐大統領スポークスマン(46) '05/1/10

 ■原子力の平和利用続ける

 ―チェルノブイリ原発で取り組んでいる主な仕事は。

 運転を停止した1―3号機の廃炉作業を進めている。原発周辺に使用済み核燃料の貯蔵所、液体廃棄物処理施設、固体放射性廃棄物貯蔵所を、欧州各国の企業が請け負って建設している。完成までにあと数年かかる。こうした施設整備が終了次第、原子炉に残っている核燃料を取り出す作業を始める。

 ―職員数は何人ですか。

 3号機停止前は約一万人が働いていた。現在は三千八百人。人員削減に伴って、高い技術力を持った職員の新たな職場の確保が課題だ。

 ―事故が起きた4号機を覆う石棺に傷みが目立ちます。

 補強を重ねている。今すぐに崩壊する危険性は1%だが、現状のままだと十年先の保証はない。石棺内部には放射線レベルが高くて、作業員が秒単位でしかいられない部分もある。新しい石棺で覆ったうえで、内部に取り付けたクレーンを遠隔操作し、不安定な構造物を取り除く。そうした作業によって、百年先まで安全に守られることを願っている。

 ―事故による周辺への影響はなお深刻ですか。

 汚染地域の中には、いまだに牛乳に含まれる放射能量が許容値を超えている場所もある。住民や事故の後始末に従事した作業員には、甲状腺の異常、腫瘍(しゅよう)、自律神経失調症などの「後遺症」が増えている。補償のための膨大な資金を払いきれる国はどこにもないだろう。

 ―これほど大きな被害を受けながら、ウクライナはなぜ原子力の平和利用に積極的なのですか。

 国のエネルギー需要を石油や天然ガスに頼りきるのは危険だ。原子力に代わる有力なエネルギー源は残念ながらない。広島・長崎の惨禍を経験した日本でも平和利用は続けられている。

 <プロフィル>80年からチェルノブイリ原発で、原子炉運転主任技師や副所長などを歴任。01年にスポークスマンに任命された。


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