中国新聞


産科再開、4年半ぶり 福山市民病院
派遣医師2人着任


   

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設備の点検を終え、お産受け入れの態勢を整えた分娩(ぶんべん)室

 福山市の福山市民病院で、4年半休止していた産婦人科の産科部門が3日、再開し、お産の受け入れを始めた。市民病院が岡山大に粘り強く働き掛け、男性常勤医師2人の派遣を受けた。中国地方5県では、医師不足からお産の受け入れ休止が相次ぐ中、広島県医療政策課は「再開は珍しい」としている。

 この日、青江尚志さん(49)、今福紀章さん(36)が着任した。辞令を手渡した高倉範尚院長は「地域が待ち望んだ再開だ。責任は大きい」と激励した。

 市民病院は2007年4月、お産と危険に陥った妊婦の救急の受け入れを休止した。岡山大病院が医局の人員不足を理由に派遣を打ち切ったためだった。

 岡山大病院産科・婦人科の平松祐司教授は派遣再開について「出産などで一度辞めた女性医師の現場復帰にも力を入れて医師確保に努めた。今秋は他の医療機関も含めて12人を派遣した」と話す。

 中国地方の各県によると、お産を受け入れる医療機関は、広島64カ所(福山市民病院を含む)▽山口37カ所▽岡山44カ所▽島根22カ所▽鳥取16カ所―の計183カ所。各県ともここ5、6年間で11〜4カ所減っている。

 広島県医療政策課は「全国的には産科医師が足りていない。県としては、さらに医師確保に努めたい」としている。(武内宏介)

(2011.11.4)


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