中国新聞


分娩受け入れ制限解除 6年半ぶり里帰り出産再開
廿日市のJA広島総合病院


   

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分娩制限を解除したJA広島総合病院の産婦人科の受付窓口

 廿日市市地御前のJA広島総合病院が、分娩(ぶんべん)の受け入れ制限を約6年半ぶりに解除した。不足していた助産師の数が回復し、態勢が整ったため。7月から里帰り出産の予約の受け付けを再開している。

 同院は廿日市市と大竹市を中心に分娩を受け入れている。産婦人科病棟の助産師は現在26人。制限を始めた2006年度には結婚退職などが重なり、11人まで減っていた。現在6人の医師数も同年度は開業などで4人に減少していた。

 助産師不足のため夜勤態勢などが整わなくなり、07年2月から里帰り出産を制限した。06年度の分娩件数は708件。制限後の07年度は同574件で、その後も年間552〜635件に抑えてきた。救急対応などの必要なリスクの高い妊婦については、期間中も受け入れた。

 助産師数の回復について同院は、廿日市市と大竹市が09年度から3年間独自に実施した助成金制度が後押ししたとみている。助産師資格を取得する学生や看護師対象の同院の奨学金制度に対して、両市が3年間で約870万円を助成。これを受けて12人が助産師となり、うち10人が現在も勤務する。

 産婦人科の中西慶喜主任部長(54)は「助産師数の確保に行政の助成が役立った。今後は気兼ねなく里帰り出産を予約してほしい」と話している。(桑原正敏)

(2013.8.29)


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