▽国への要望相次ぐ
放射線影響研究所(広島市南区、放影研)は十六日、被爆者や行政、医療関係者の意見を聞く「地元連絡協議会」を開いた。将来像を検討した日米専門家の第三者機関「上級委員会」の最終報告で施設整備への民間資金活用に言及した点に対しては、「被爆者援護や放影研の成り立ちから考えても、国に求めるべきだ」との意見が相次いだ。
委員や関係理事者ら約三十人が出席した。放影研の大久保利晃理事長は、施設移転も含めて今後、二年で結論を出すように求めた、六月の最終報告の内容を説明した。
施設移転が中心となった意見交換では、将来の放影研の役割について、広島市内の被爆者医療関連施設による研究と臨床の拠点づくりを求める案も出た。
広島県被団協の坪井直理事長は「原爆以外の核被害者も救い、放射線被害を食い止めるための放影研であってほしい」と指摘。大久保理事長は「放影研として主体的戦略を立てる努力をしたい」と答えた。(森田裕美)
【写真説明】放影研の施設移転について意見を交わした地元連絡協議会
    
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