中国新聞社
2012ヒロシマ
'12/7/18
73カ国とEU代表が出席 8・6式典、英駐日大使が初参列


 広島市は17日、被爆67年となる8月6日の原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)の概要を発表した。海外から73カ国と欧州連合(EU)の代表が出席。昨年の66カ国を上回り、過去最多の74カ国だった2010年と同規模となりそうだ。

 市は152カ国に案内状を送った。73カ国中、駐日大使の出席は過去最多の46カ国となる見通し。核兵器を保有する五大国では英国の駐日大使が初めて参列。17日現在、米国など他の4カ国から返事が届いていない。ウズベキスタン、ベラルーシ、ルーマニアなど10カ国が初参加となる。

 国連から潘基文(バンキムン)事務総長の代理としてアンジェラ・ケイン軍縮担当上級代表が参列。野田佳彦首相は出席の方向で調整している。福島第1原発事故で全町避難が続く福島県浪江町の馬場有(たもつ)町長が事故後、同県の自治体の首長として初めて出席する。

 式典は例年通り、中区の平和記念公園で午前8時から45分間。原爆が落とされた8時15分、遺族代表の会社員原戸勇二さん(42)=安佐北区=と、こども代表の八幡小6年岸本聖来(せいら)さん(11)=佐伯区=が「平和の鐘」を突き、黙とう。松井一実市長が平和宣言を読み上げる。

 子どもが慰霊と継承の思いを訴える「平和への誓い」は、比治山小6年三保竜己君(11)=南区=と安北小6年遠藤真優さん(11)=安佐南区=が担当する。岸本さんは「どうしたら世界が平和になるかを考えて鐘を鳴らしたい」と抱負を話した。

 遺族代表は41都府県から参列する。最高齢は82歳、最年少は28歳。平均年齢は66・0歳となっている。(田中美千子)

【写真説明】式典への抱負を語る、右から遠藤さん、三保君、岸本さん、原戸さん



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