広島市の松井一実市長が8月6日の平和記念式典で読み上げる平和宣言の概要が24日、分かった。核兵器を否定する言葉に「絶対悪」を選び、核抑止力に頼る国々に廃絶を呼び掛ける。
核兵器廃絶に目立った進展がない中、松井市長にとって3回目となる平和宣言。松井市長は「絶対悪」の表現を4月、核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた第2回準備委員会での演説で用いている。「核兵器は非人道兵器の極みであり、絶対悪であるのは明らか」と訴えた。
原爆投下時の惨状や、その後の偏見や後障害による苦しみを訴える被爆者5人の体験談を盛り込み、絶対悪を強調する。
宣言文は、松井市長や日本被団協の坪井直代表委員たち8人でつくる懇談会で練った。国内外の為政者に向けては、核抑止力に頼る愚かさを指摘。市長が持論とする「信頼と対話に基づく安全保障」を訴え、被爆地広島の意義や平和憲法の大切さも説く。
国際社会で核兵器の非人道性に焦点を当て、非合法化を目指す動きが広がっていることにも言及。日本政府に核兵器廃絶を目指す国々との連携強化を促す。
松井市長は8月上旬に平和宣言の骨子を発表する。(岡田浩平)




