中国新聞社
'13/8/6
「核廃絶への交渉」求める 平和市長会議、ヒロシマアピール採択

 広島市中区の広島国際会議場で開催中の平和市長会議の総会は5日、2020年までの核兵器廃絶に向け、「核兵器禁止条約の早期締結のため、国連と全ての国に具体的交渉の開始を求める」とする共同声明「ヒロシマアピール」を採択した。参加者は6日の平和記念式典に参列し、全日程を終える。

 役員都市の市長たちがアピールを起草。会長の松井一実広島市長が読み上げ、拍手多数で採択された。

 アピールは、国際社会で核兵器の非人道性に焦点を当て、非合法化を求める動きが活発化していると指摘。核兵器禁止条約の締結を最大の目標に掲げた。世界の為政者には広島、長崎の被爆2市を訪れるよう求めた。

 国レベルでスタンスが異なる原発にも触れ「放射線の発生源のいかんを問わず、いかなる場所でも『ヒバクシャ』を出さないよう全力を尽くさなければならない」と訴えた。

 原発をめぐっては、この日の国内加盟都市の会議でも議論。原発がテロの標的にされた場合の危険性を指摘する意見も出た。

 松井市長は閉会式のあいさつで「今後の取り組みの方向性が見えた。一人でも多くの市民の支援を得て核兵器廃絶を実現しよう」と呼び掛けた。

 総会には最終的に、18カ国157都市や非政府組織(NGO)の代表たち305人が参加。次回は4年後の17年に長崎市である。(岡田浩平)

【写真説明】ヒロシマアピールを採択した平和市長会議総会。アピールを読み上げる松井市長がスクリーンに映し出された



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