核保有5カ国の駐日大使を8・6式典に招請

'98/7/20

 広島市は、インド、パキスタンと、核保有五カ国の計七カ国の駐 日大使に、八月六日の平和祈念式への参列を初めて呼び掛けてい る。印パ両国の核実験に危機感を募らせ、被爆地の願いを直接伝え て核ドミノに歯止めをかける狙い。インドからは好感触を得てお り、市は他国からの返答を待っている。

 今月初め、市幹部が上京し、各大使館を回って招待状を届けた。 これまでに、インドから出席に前向きな連絡があり、大使の日程調 整が進められている。パキスタンからはまだ返答が届いていない。 核保有五カ国のうち、三カ国は「大使の予定がつかない」などの理 由で難色を示しているもようだ。

 広島市市民局によると、七カ国の駐日大使を祈念式に招待するの は初めて。海外の被爆者や、世界平和連帯都市市長会議のメンバー が参列したことはある。

 五月に印パが核実験を応酬し、アジアでの緊張と核戦争の危機が 高まった。平岡敬広島市長はこれまで、両国だけでなく、核軍縮努 力を怠ってきた五カ国が印パの核実験を招いたと批判。核保有国の 軍縮交渉も進展がなく、七カ国に核廃絶への願いを直接届ける機会 として、参列を求めた。

 平岡市長は「核保有国の代表は広島を訪れるべきだ、といつも訴 えてきた。印パの核実験という新たな状況を踏まえ、招待という行 動に移した」と説明。「ぜひ七カ国の大使がそろって参列し、被爆 地の思いに触れてもらいたい」と話している。


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