印駐日大使が8・6式典出席へ
'98/7/24
インドのシッダールタ・シン駐日大使が八月六日、広島市中区の 平和記念公園で開かれる原爆死没者慰霊式・平和祈念式に参列す る。広島市が核実験を強行したインド、パキスタンと核保有五カ国 の大使館に出した要請にこたえた。核保有・核実験実施国の大使の 式典参列は初めてとなる。
広島市市民局によると、これまでにインド大使館から大使参列の 意向を伝える文書が届いた。他の六カ国のうち、米国、英国、中国 の三カ国は「大使の都合がつかない」などの理由で欠席を通知して きた。パキスタン、ロシア、フランスについては、市が二十一日に 確認したところ「もう少し待ってほしい」との回答だった。
シン大使は今年五月、広島を訪れて原爆資料館を見学した。広島 市は「核拡散と核使用の危険性が高まっている今、広島の思いと被 爆の実相に触れてほしい」と、インド大使の参列を歓迎。「三カ国 の欠席は残念だ。週明けまでには、残り三カ国からも回答があると 思う」と話している。
印パの核実験で、平岡敬市長は、核軍縮努力を怠ってきた五カ国 の責任にも言及。「新たな核状況を踏まえ、手をこまねいていられ ない」と七カ国の招待を決め、黒川浩明市民局長が今月上旬、七カ 国の大使館に招待状を届けていた。
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