台湾の元軍人ら8・6祈念式に初参加
'98/7/29
太平洋戦争中、日本軍として戦った台湾の元軍人や軍属、遺族ら 十二人が八月六日、広島市の原爆死没者慰霊式・平和祈念式に初め て参加する。戦争体験者として、平和を祈り、死没者を追悼する。
遺族の林阿貞さん(69)をはじめ、元軍人の張塗生さん(73)、元軍 属の謝天来さん(75)らで構成。来日を前に「台日平和友誼(ゆう ぎ)団」を結成した。
メンバーは昨秋、外務省の招待で日本を訪れた際、祈念式参加を 望んでいた。台湾の戦後補償問題の日本側世話人を務める高松市の 元新聞記者木村広さん(76)が橋渡し役となり、広島市に文書で参加 を申し込んだ。
市は「祈念式への参列は自由」と返答。当日は同時通訳付きの外 国人席を用意する。一行は五日に広島入りし、六日夜の灯ろう流し も見学する。
木村さんは元軍人・軍属の上官として東南アジアを転戦。日本人 と異なり、元台湾兵には恩給もないため、日本政府による戦後補償 運動を支援してきた。「彼らは激戦をくぐりぬけただけに、平和な 世界を祈る気持ちは強い」と、広島市の対応を喜んでいる。
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