電車内で小学生らが被爆体験聞く
'98/8/1
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広島市内を走る路面電車の中で、小学生らが被爆体験を聞く会が 三十一日、開かれた。被爆者の小松清興さん(62)=安佐南区長楽寺 一丁目=と、母親が電車の中で被爆した田岡月美さん(52)=東区戸 坂くるめ木=が、広島駅―江波間の四十分間、広島の町を廃虚に変 えた原爆の恐ろしさを語った。
「車内でこそ実感できる体験談を」と広島市農協の安佐南地区婦 人会が、広島駅―江波間の電車二両を貸し切り、地区内の小学生と 母親ら八十五人が参加した。
田岡さんの母、英子さんは原爆が落ちた時、爆心地から七百五十 メートル離れた中区八丁堀付近の路面電車内にいたが奇跡的に助かった。
電車が八丁堀が近づき、田岡さんが電車から吹き飛ばされた母親 の体験を話すと、子供たちは信じられない様子で外を見た。
また、小松さんが焼け野原になった線路沿いの写真を見せると戸 山小四年の藤田淳一君(10)は「今の風景とは全然違う」と車窓から の風景と比べていた。
【写真説明】母親の被爆体験談をする田岡さん
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