「原爆り災者名簿」公開始まる

'98/8/2

 原爆で消息不明となった人の手がかりとなる「原爆罹災(りさ い)者名簿」の公開が一日、広島市中区の原爆資料館東館地下で始 まった。六日まで。

 罹災者名簿は一九六八(昭和四十三)年に見つかった広島東署の 原爆死没者検視調書や、周辺町村に残っていた罹災者収容名簿など 計八十三点のコピー。二万三千三十九人分の氏名、住所、年齢、死 亡月日、死亡場所、死因などが記載されている。

 今年から、高齢の遺族が座って見られるよう、これまでの掲示板 方式に代えて、バインダーにとじた名簿のコピーを五セット用意し た。

 奈良県生駒市から夫、長男と旅行で訪れた主婦山本浩美さん(40) は、被爆以来消息が分からない伯母の名前を探した。しかし結局、 見つからず「収容すらされなかったのでしょう」と肩を落としてい た。

 原爆死没者名簿への記載受け付けや確認も始まり、初日は七人が 窓口に訪れた。名前が分かりながら引き取り手がない八百五十一柱 の原爆供養塔納骨名簿も拡大コピーで公開している。


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