被爆2カ月後のパノラマ写真展示/原爆資料館

'98/8/2

 被爆二カ月後の広島市中心部を、市西部から撮影した未発表のパ ノラマ写真の展示が一日、中区の原爆資料館で始まった。元米海軍 将校の遺族からネガの寄贈を受けた資料館が引き伸ばした。西部か ら撮影されたパノラマ写真の公開は初めて。三十一日まで展示す る。

 写真はモノクロで、縦〇・五メートル、横六メートル。中区猫屋町の光道小学 校(一九四五年十一月に廃校)の屋上から、三六〇度を撮影した十 四枚をつなぎ合わせた。

 遠くに原爆ドームや市役所が写り、廃虚の中の道路を歩く人たち の姿も鮮明にとらえている。同時に寄贈された相生橋や西練兵場 (現在の広島県庁付近)の上空から撮った写真五枚も並べた。

 長男と一緒に訪れた大分市の会社員古沢民男さん(49)は「見渡す 限り焼け野原になった写真を目の当たりにすると、あらためて原爆 の恐ろしさを感じる」と立ち止まって見ていた。

 写真のネガは元米海軍大尉のハーバート・オースチンさん(七八 年、六十六歳で死去)が保管していた。長男の会社社長ブレット・ オースチンさん(54)が、ネガ計六十三カットと写真二十三枚を七月 までに、資料館に贈った。

【写真説明】原爆資料館に展示された被爆2カ月後のパノラマ写真。廃虚となった広島市中心部をとらえている


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