原水禁系の世界大会閉幕、非核地帯化討論

'98/8/3

 東京都調布市で開かれていた原水禁国民会議系の被爆53周年原水 爆禁止世界大会の国際会議は二日、北東アジアの非核地帯化構想な どをテーマに討論し二日間の日程を終了。四日から広島に大会の舞 台を移す。

 太平洋軍備撤廃運動・国際コーディネーターの梅林宏道氏が、日 本と朝鮮半島を非核地帯に設定し、米国とロシア、中国がこの地域 に核攻撃をしないことを約束する議定書に調印する、との構想を紹 介。「ガイドライン(日米防衛協力の新指針)に基づく周辺事態法 案の代案にもなる、日本の安全保障の現実的な選択肢だ」と強調し た。

 これに対し、中国の軍事アナリスト、劉鳴(リュー・ミン)氏は 「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核疑惑もぬぐい切れていな い」などと、実現に悲観的な意見を述べた。また、インドのジャー ナリスト、プラフル・ビドワイ氏は「日本が核の傘から抜けた場 合、自衛隊の強化につながる危険性があるのでは」と懸念を示し た。

 こうした意見を受け、姫路独協大の木村修三教授は「非核三原則 の法制化など日本の国内的な軍縮努力も非核化の前提になる」と指 摘。梅林氏は被爆国である日本が非核地帯化などでリーダーシップ をとるべきなのは国民的総意」とした上で、政府への提案、働きか けの重要性を強調した。


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