「救護の島」に原爆慰霊碑/広島市金輪島
'98/8/3
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被爆直後、五百人近い負傷者が収容された広島市南区沖約一キロの 金輪島で二日、原爆慰霊碑の除幕式があった。遺族らが建立委員会 をつくり、寄付金と市の助成金で建設を進めていた。
慰霊碑は高さ一・六メートル、幅六十センチ、奥行き二十七センチの御影石。 「御霊(みたま)安かれ」の碑文が刻まれ、瀬戸内海を見下ろす島 西部の道路沿いに建っている。
遺族ら約四十人が出席した除幕式では、建立委員会の代表世話人 で弁護士の田辺博介さん(73)=西区己斐東一丁目=田辺さんは「犠 牲者も安らかに眠ってくれるでしょう」とあいさつした。
車いすで参列した小野フジコさん(89)=安佐北区亀崎一丁目=は 「島で息を引き取った娘にようやく思いが届きました」と声を詰ま らせていた。
委員会は、中区国泰寺町で被爆した父を島の救護所で亡くした田 辺さんらが一昨年、結成。慰霊碑建設などを対象にした広島市の助 成制度で百万円の補助を受け、遺族らの寄付約百万円を足して碑を 建立した。市内では白島九軒町町内会がこの五月、同様の補助を受 けて慰霊碑をつくった。
【写真説明】原爆慰霊碑を除幕する遺族代表(広島市南区の金輪島)
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