印パ外交官も参加し核廃絶シンポ
'98/8/5
国際シンポジウム「核廃絶へ今、私たちは何をなすべきか」(広 島市など主催)が四日、中区の広島国際会議場であった。核実験を 強行したインドとパキスタンの外交官も参加した。
市民ら約六百人が参加。シンポジウムに先立ち、明石康・広島平 和研究所長が講演した。
明石所長は、核保有国が非核保有国に核攻撃や核による脅しをし ないという「消極的安全保障」の法制化とともに、核保有国が非核 保有国の安全を保障する「積極的安全保障」のあり方に着目。「一 国による核の傘ではなく、国連の安保理が拒否権の適用できない形 でその役割を担えば、一段と信頼感を増す」と核兵器の国際管理を 提案した。
シンポジウムでは、インドのジャイシャンカル駐日公使は、核保 有五カ国の核独占体制を批判し、自国の核実験を正当化。パキスタ ンのアブドゥッラー駐日参事官は「インドの挑発と異なり、パキス タンは自衛のため」と、核実験を対抗措置としてやむをえなかった とした。
このほか、核兵器廃絶へ向け非政府組織(NGO)の役割を問う 討論もあった。
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