中国と韓国を訪れる「広島世界平和ミッション」(広島国際文化財団主催)の第二陣が十九日、広島空港から出発し、同日夜大連経由で北京入りした。被爆の実態を伝えて互いの歴史認識について話し合い、北東アジアの友好と平和への道筋を探る。
メンバーは被爆者の福島和男さん(72)=広島市佐伯区▽在韓被爆者の救援活動に取り組む井下春子さん(72)=同南区▽中国内モンゴル自治区出身で、広島大大学院文学研究科の岳迅飛さん(32)=東広島市▽東京大三年の森上翔太さん(20)=廿日市市出身。中国新聞の記者とカメラマンもメンバーとして同行する。
一行は、中国を代表する北京大学で初めて、被爆の証言や記録写真を紹介。一九八九年に中国語訳された「原爆の子」の翻訳者や、対日関係の研究者、報道関係者らとも懇談する。また、日本軍の侵略のつめ跡も訪ね、歴史認識をどう分かち合っていくか対話を重ねる。
北京大で証言する福島さんは「日本の加害責任を問う声は根強いと聞く。耳を傾けてくれるのか不安はあるが、体験を精いっぱい語り、原爆の悲惨さと戦争のばからしさを伝えたい」と話していた。
韓国へは七月一日にソウル入り。在外被爆者の健康管理手当受給の権利を日本政府に一昨年認めさせた元韓国原爆被害者協会長の郭貴勲さん(79)が加わり、行動を共にする。帰国は同月八日の予定。
【写真説明】北京国際空港で中国人民平和軍縮協会の担当者(左から2人目)の歓迎を受ける平和ミッション第二陣メンバー(撮影・荒木肇)
   
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