イラン・イラク戦争中の毒ガス兵器被害者を含むイラン人訪問団八人が七日、広島市中区のホテルで平和活動に取り組む市民や広島世界平和ミッション第一陣のメンバーら計十七人と交流し、毒ガス被害の実態や後遺症について紹介した。
団長のシャリアール・ハテリ医師(34)が、一九八七年六月に百十人が亡くなったイラン北西部のサルダシュト市の被害について、皮膚が焼けただれた子どもの写真スライドなどを映しながら説明。国内では呼吸困難や皮膚障害で四万人余が苦しんでいる現状を訴えた。
ハミード・サーレヒさん(36)は「私も含め全身がただれた被害者の当時の姿は、やけどを負った被爆者と似ていて驚いた。平和のために、同じ痛みを持つ私たちはともに体験を語る使命がある」と決意を新たにしていた。
毎年、被爆手記集を編さんしている団体職員の信政ちえ子さん(54)=中区大手町五丁目=は「毒ガス被害について知らなかった。体験を来年向けの手記集にぜひ寄せてください」と話していた。
交流会は「広島世界平和ミッション」を支える市民の会(柴田幸子代表世話人)が開いた。これに先立ち、一行は原爆資料館も見学。八日は被爆者と交流した後に上京し、九日帰国の途につく。
【写真説明】広島市民(左側)との交流で、毒ガス被害や平和への思いを語るイラン人たち
   
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