広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第一、二陣の参加者五人は十九日、平和教育研修のため広島を訪れているボスニア・ヘルツェゴビナの教員九人と、広島市中区のひろしま国際センターで交流。平和を築くための教育の在り方などについて意見を交わした。
最初にミッション参加者が訪問国での体験を紹介。第一陣の薬剤師津谷静子さん(49)=東区=は、イランの毒ガス兵器被害者を訪ね、帰国後に広島に招いた交流を通じて「互いに相手を分かり合うことが平和実現への一歩と感じた」と話した。
第二陣の広島大大学院生岳迅飛さん(32)=東広島市=は「旅を通じて中国、韓国、日本の歴史認識の違いを痛感した。しかし地理も文化も民族も異なれば違いがあって当然。それを乗り越え理解し合わなければ」と強調した。
教員たちは民族が共存するための文化活動を通じた人権教育や、戦争で心に傷を負った子どもたちへのケアなど現地での取り組みを報告した。
経済専門学校の英語教員ドラジェンカ・ゼレニカさん(27)は「ヒロシマの体験は、戦争や暴力が絶対悪であると思い知らせてくれる。平和ミッションの取り組みは、子どもたちに人権の尊さなどを教える上でも大変有益」と感想を語った。
研修は国際協力機構(JICA)、広島県、ひろしま国際センターの共催で、今月五日から三十日まで開かれる。
【写真説明】平和教育をめぐり、ミッション参加者(手前)と意見交換するボスニア・ヘルツェゴビナの教員たち
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