ソ連から受け継いだ核兵器を一九九六年に全廃したウクライナの駐日大使ユリー・コステンコ氏(59)が十七日、広島市中区の原爆資料館東館で「ヒロシマの使命 被爆六十年を迎えて」と題して講演した。
コステンコ氏は「困難な交渉の結果、わが国の独立を尊重して核攻撃を加えない協定を核保有五カ国と結べたことが、廃絶実現への大きな一歩となった」と話した。
さらにチェルノブイリ原子力発電所事故の被災者への、広島大や広島県内の市民団体の支援に感謝。「広島とわが国は、平和への積極的な取り組みで強く結ばれている。二〇二〇年までに世界の核兵器全廃を目指す秋葉忠利広島市長の呼び掛けに全面的に賛同する」と話すと、聴衆三百人から大きな拍手が起きた。
講演に先立ち、中国新聞ビル(中区)に今中亘社長を訪問。同社などでつくる財団法人広島国際文化財団の派遣で昨年十月、ウクライナを巡った広島世界平和ミッション第四陣の交流の成果などについて話し合った。
コステンコ氏は国際原子力機関(IAEA)の同国代表などを歴任し、二〇〇一年から駐日大使。講演会は広島創価学会が「広島学講座」として開いた。十八日にはコステンコ氏に広島平和賞を贈る。
【写真説明】「わが国は今後も核兵器廃絶を米ロに求め続ける」と語るコステンコ氏
   
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