広島市は30日、「市民広場」などを中心にした市民球場(中区)の跡地利用計画を原案通り決定した。市議会から疑問の声が出ていることも踏まえ、今年秋の着手を目指している球場の解体費は、新年度当初予算案への計上を見送る。
計画によると球場跡地を中心とする5・5ヘクタールを活用。約8割は「市民広場」「市民の森」とし、折り鶴の展示施設を置く。球場のライトスタンドの一部のほか、将来的な劇場や文化発信施設のスペースとする内野一塁側スタンドの一部も当面は残す。広場などは2012年度の利用開始を目指している。
当面の事業費は33億6000万円を見込む。ただ、にぎわいに結びつく集客力や折り鶴施設への疑問が原案段階で市議会から相次いだため、2月に提案する当初予算案には緑地整備などの調査費を盛り込むにとどめる。
市は野外イベントの開催など具体的な集客計画を今後、市議会に説明し、理解を得たいとしている。再開発の第一歩となる球場解体費は6月以降の補正予算で対応する考えだ。(東海右佐衛門直柄)
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