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・三原の河口にイノシシ (02.12.19) ・福山で駆除倍増 (02.12.17) ・因島でイノシシ初捕獲 (02.12.11) ・イノシシ海を渡る (02.11.15) ・能美島・大柿、イノシシ初捕獲 (02.6.28)
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目撃情報裏付け かんきつ類の被害懸念
イノシシがいないとされていた因島で今月、一頭がわなにかかった。昨秋以降もたらされていた出没情報が裏付けられ、市は「特産のかんきつの収穫が続く大切な時期。えさを求め人里に下りてこなければいいが」と警戒している。 捕獲したイノシシは体重四十キロのオス。一日、外浦町の山林に仕掛けたわなにかかった。七月末、近くで林道工事をしていた業者から市に目撃情報がもたらされ、その後も足跡や地面に体をこすりつけた跡があると報告があり、十一月に箱わなを設置したばかりだった。 因島市では、生口島にある同市原、洲江の両町で一九九七年ごろから、イノシシ被害が目立ってきていた。同じ生口島の瀬戸田町で飼っていたイノブタが逃げ出し、原、洲江にも広がったと言われる。だが、これまで同市の因島側では捕獲実績はなかった。
市や因島市猟友会など五団体でつくる市有害鳥獣駆除対策協議会は同年、まず銃による駆除を開始。最初の三年は計三頭だったが、くくりわなを仕掛けた二〇〇〇年度は五頭。〇一年度は箱わな導入もあり、駆除頭数は十七頭に激増した。農産物被害は年三百五十万円前後で推移している。 そうして昨年十一月、因島の向島・尾道側の重井町で足跡が認められた。間もなく市の離島細島にも出たという情報があり、さらに田熊、外浦、椋浦町と因島の広い範囲で出没情報が寄せられた。今年十一月には呉海上保安部が倉橋町鹿島沖を泳ぐイノシシを撮影しており、「海を縦横無尽に泳いで渡っているのでは」と不安が広がる中での、今回の捕獲劇である。 「因島に限らずイノシシのいなかった近辺の島で出没情報や捕獲が相次いでいる。島の自然形態が変わってきているのだろう」と市猟友会の瀬島恵会長(54)。瀬戸内しまなみ海道の工事で山を追われて海を渡り別の島へ、そこで繁殖するという見方だ。 被害に悩む自治体は多様な対策を講じているが、決め手がないのが実情。市農林水産課は「何とか被害を防ぐ方法を見つけなければ…」と頭を痛めている。 |