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福山で駆除倍増

2001年34頭→02年85頭  餌を求めて住宅地にも

 福山市内で今年、イノシシの駆除頭数が昨年の二倍以上に急増していることが十六日、分かった。市南部の住宅地近くに現れ始めており、同市は地元の猟友会と連携して、農作物などの被害防止に取り組んでいる。
「福山市のイノシシ駆除頭数」

 市農林整備課のまとめによると、ことし駆除したイノシシは八十五頭(十一月十四日現在)。昨年同期の三十四頭をはるかに上回った。一九九七年以降も十八~三十四頭で推移しており、ことしは飛び抜けている。同課は「過疎や高齢化で年々山が荒れ、餌を求めて人里近くに下りてくるのだろう」とみる。

 近年の傾向として、水呑町や田尻町といった市南部の住宅地近くでも農作物を荒らすケースが目立ち始めている。昨年五月に初めて駆除したのをはじめ、計六頭に上るという。

 住民たちは昨年から、鉄格子を箱型に組んだわな十八基を山林に仕掛けている。これまでに掛かったのは十頭にとどまっている。同課は「イノシシは意外と賢く、えさの工夫など課題が多い」という。

 毎年十一月十五日から翌年二月十五日は狩猟期に当たるため、わなを使った駆除はできない。このため、市は猟友会との連携を強化。市内を南、北、中央、芦田の四ブロックに分けて駆除班を設け、市民からの苦情が入り次第、対応できる体制をつくっている。

 同課は「猟友会との連携はもちろん、防護柵などの対抗手段を検討し、農作物を保護したい」としている。