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幸せ 陰陽道にお願い 京都・晴明神社'02/1/18

「五芒星」のちょうちんのそばで、おみくじを結ぶ若い女性たち(京都市上京区)
祈りの風景  冬の冷気の中、若い女性の姿が後を絶たない。織物産地の西陣にある晴明神社(京都市上京区)。 絵馬を奉納し、おみくじを結ぶ。お守りを買うために並び、鳥井の前で記念撮影の順番を待つ。

 陰陽師(おんみょうじ)・安倍晴明(あべせいめい)。天文暦学にたけ、物事の吉凶を占った。 天皇の信頼も厚かったという。「木・火・土・金・水」の天地五行を表す神紋「五芒星(ごぼうせ い)」はどこか不可思議が漂う。

 先行き不透明な時代。晴明ブームは過熱する一方だ。小説や漫画が火を付け、昨秋公開の映画が 拍車を掛けた。関連本の出版も盛んだ。

 「みんな悩みはある。お願いすれば明るい未来が開けそう」と名古屋の女性。新潟の高校生五人 組は「陰陽道って夢がある」と屈託がない。

 禰宜(ねぎ)の山口琢也さん(41)は「陰陽道は自然との共生の道を暗示している。豊かな時代に なり、人生の選択肢が多いから、逆に人は何かにすがりたいのでは」と話す。

写真・坂東勇、文・日下田貴政=京都新聞
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