恋愛実らす むすびの樹 江の島・ピンク絵馬 | '02/1/21 |
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悠久の歴史を見つめてきた「むすびの樹」。湘南の海を渡る風に絵馬が揺れる(神奈川県藤沢市) |
一年を通して若者たちでにぎわう神奈川県・湘南海岸。相模湾に ぽっかりと浮かぶ江の島は、
弁財天信仰と龍神伝説が生きる神の島 である。
土産物屋が並ぶ参道を抜けると創建五五二年(欽明天皇時代)、 源頼朝建立(江戸時代再建)
とされる江島神社にたどり着く。潮風 が吹き抜ける境内を進むと、ピンクに彩られた大イチョウ
が目に飛 び込む。樹齢は四百年とも五百年とも。一つの根から二本の幹が伸 びていることから「む
すびの樹(き)」と呼ばれ、古くから絵馬や おみくじが結ばれていたという。
デートスポットとして脚光を浴びる湘南。神社がハートをイメー ジしてピンク色の絵馬を作っ
たのは一九九三年。カップルや観光客 らの人気を呼び、今では太い幹を取り囲むその数は、年間
で五千枚 にもなるという。
島の頂上に立てば鶴岡八幡宮と鎌倉大仏が手の届く近さに。江の 島は鎌倉文化の懐に抱かれた
「祈りの島」でもある。
(写真と文 藤原進一=東京新聞)
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