中国新聞オンライン
炎に揺れる 眼前の異国 根室・四島のかけ橋'02/1/24

四島のかけ橋から、歯舞諸島の一つ、水晶島まではわずか 7キロ。巡視船が狭い海をよぎり、日口問の警戒が今日も続く
祈りの風景  北海道最東端の根室・納沙布岬。北方領土の返還を願うシンボル 像「四島(しま)のかけ橋」が、 この地に建って二十一回目の新春 を迎えた。

 四島を四つのブロックに表現してできた巨大アーチの下で燃え続 けるのが「祈りの火」。一九七二 年に祖国復帰した沖縄県南端の波 照間島から、全国の青年団体らの手で列島を縦断して届けられたも のだ。

 第二次世界大戦後、国後、色丹、択捉、歯舞の四島が旧ソ連軍に 占拠されて以来、すでに半世紀余 が経過。元島民の平均年齢も七十 歳を超え、返還運動は二世、三世に引き継がれている。

地図  昨夏、民間の立場で四島の返還運動に生涯をかけた末次一郎氏が 亡くなった。その功績をたたえた 石碑が新たに岬に建てられた。そ れには、同氏の遺志「ひた向きに生きれば 道はひらける」の文字 が刻まれ、粘り強く領土返還を求めるよう、元島民らを間近で励ま し続けている。

写真と文 小室泰規=北海道新聞


Menu Back Next