病院仕様実習室 | '09/12/01 |
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整然と並んだベッドで、患者の体位を変える練習を積む看護師の卵たち
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▽看護師の卵が切磋琢磨
神戸市の海に浮かぶ巨大人工島、ポートアイランドの一角。かつて、ここには貨物船のコンテナを積み降ろす港湾施設があった。今は看護師を目指す学生が切磋琢磨(せっさたくま)する場所。施設跡地に兵庫医療大などのキャンパスが生まれ、3年目になる。
兵庫医療大の広い実習室には等間隔にベッドが並ぶ。カーテン、キャビネット、クリーム色の床…。すべてが病院仕様。「ここに入ったら、病室だと思いなさい」。教授の言葉に空気が締まる。
学生は看護師役と患者役に分かれ、体位変換などの基本動作を繰り返す。「1、2、3!」。掛け声は欠かせない。すぐそばで教授らが技術チェックに目を光らせる。
ポートアイランドは国際港湾として繁忙をきわめたが、阪神大震災後、貨物取扱量が激減した。その再活性化の切り札が、神戸市の医療産業都市構想だった。
最先端の再生医療や医薬品開発に取り組む企業・研究施設が集積。海に面した立地に教育機関も着目し、2007年に3大学が開学した。
「産・学・官の連携で高度な専門性を持った医療人を育てたい」と兵庫医療大。貿易から医療へ―。変ぼうを遂げたこの場所で、早朝から夜まで看護師の卵が腕を磨く。
(写真・山崎竜、記事・中島摩子=神戸新聞)
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