中国新聞オンライン
珊瑚舎スコーレ'09/12/03

食材となる農作物の苗を手分けして植える生徒たち
学びの風景

 ▽生きる力はぐくむ基地

 みんなで作る秘密基地―。NPO法人珊(さん)瑚(ご)舎(しゃ)スコーレは沖縄県南城市佐敷の約千坪の山林を利用し校外学習を行っている。

 毎週金曜日、学校や社会で悩みを抱えた生徒たちが校外学習として、山小屋作りや農作業を通し、人間関係や働くことの尊さなどを学んでいる。

 参加しているのは12歳から38歳まで。作業の取り組み方はそれぞれ自由だ。班ごとに分かれ、山小屋やたき火台作り、農作物の苗植えに汗を流す。黙々と作業する生徒もいれば、疲れて休憩する生徒の姿も見られる。「強制も年齢の上下関係もない。自分のやりたいようにやればいいんです」と語るスコーレ代表の星野人史さん(61)。

 生徒たちの「秘密基地」となる山小屋の基礎工事に参加した高等部の中村悠人君(17)は「講師を含め、心と心の交流がある。自然の中で働き、完成させることに達成感と喜びを感じる」とはにかむように話した。

 スコーレは「学び」を問い直し生きる力となる教育を目指す。他人とより良い関係をつくり、自由、自立、平和の心を伝え、社会で生きていく若者たちの手助けを今後も実践する。

(写真と文・田盛良一=琉球新報)



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