オレンジの海 躍る魚群 | '06/7/21 |
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瀬戸内海に朝日が昇る中、朝一番の小イワシ漁の網を引く漁業者たち(大竹市阿多田島沖)
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瀬戸内海の島影から朝日が昇る。海面がオレンジ色に染まり始めると、漁船から一斉に網が落とされた。日の出とともに始まる広島湾の夏の風物詩、小イワシ(カタクチイワシ)漁だ。
漁が盛んな広島県江田島市の鹿川漁港。まだ暗いうちに四、五隻からなる船団が次々と出港。近くの能美島沖や、遠くは大竹市の阿多田島沖で魚影を探す。解禁時間の午前五時になると、魚の群れに集まった船団がわれ先にと、二隻が対になって数百メートルの網を引く。
朝一番の水揚げは、生食用に搬送船ですぐに広島や呉市の市場へ運ぶ。
「七度洗えばタイの味」と言われ、この時期の新鮮な小イワシは竹べらなどで身を削ぎ、刺し身で食べるのが広島流。資源保護のため、産卵期の三月から三カ月間は禁漁で、毎年六月十日ころ解禁になる。
(写真と文 高橋洋史=中国新聞)
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