祈りの島に響く賛美歌 | '06/7/27 |
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賛美歌の音色が響く教会で、祈りをささげる信者たち(長崎県五島市三井楽町)
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カラフルなステンドグラスに囲まれた教会の早朝ミサ。白いベールをかぶった女性信者らが、日の出間もない午前六時から静かに祈りをささげる。
ここは、九州の西端に位置する長崎県五島市三井楽(みいらく)町の三井楽教会。同市を含む五島列島の人口約八万二千人のうち、ほぼ一割をカトリック信者が占めるという。
五島に信者が多い理由の一つは、五島藩主が島内を開墾するため、隣の大村藩に移民を要請したことに始まる。大村藩は主にキリシタン信者を移住させ、一七九七年から三年間で、その数三千人に上ったといわれる。
五島列島内には約五十の教会がある。女性信者の一人が「車や漁船に十字架やマリア像を置く人も多い」と教えてくれた。いまなお、生活の中に信仰が色濃く息づく「祈りの島」である。
(写真と文 岡部拓也=西日本新聞)
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