伊予さつま みそ風味 おかずいらず | '04/11/26 |
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昔ながらの家庭の味にこだわった伊予さつまのみそを練る本山さん
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「おかずがないときは、これよ」。伊予さつまは一見、濃いみそ汁をご飯にぶっかけただけのような料理だ。
焼き魚の身をほぐし、すり鉢でよくすりつぶす。軽くあぶったみそを練り合わせ、さらにすりつぶしたごまやピーナツを加え、風味を出す。これをだし汁で溶けば出来上がり。白身であれば、魚はなんでもよい。
ご飯にかけ、刻んだユズやネギを載せれば、食欲を誘うこと請け合い。栄養も豊富だ。
東西に長広い愛媛県は東予、中予、南予の三地方に大きく分けられる。漁業が盛んな宇和島市など南予地方の郷土料理で、もともとは漁師が、釣ったばかりの魚を使い、船上で料理したのが始まりとされる。
手軽なうえ、魚もみそも焼くので、中の水分がとび、より保存がきくようになる。作りだめができるので、農繁期の農家にも重宝され、広がったた。
さつまのいわれは一説によれば「漢字をあてると佐妻。これは妻を助けるという意味」。なるほどと、うなずける。
松山市の料理店で働く本山三男さん(55)は、宇和島市に生まれ育った。自宅でみそも魚も焼いて、「昔はどの家庭でもよく料理していた」という「おふくろの味」に、こだわり続ける。
そして「食欲が落ちる夏場にもシャブ、シャブと、どんぶり一杯はいただける」。ほかほかの麦ご飯に、ふわりと広がるみその風味に、太鼓判を押す。最近では、「この味を求め、若い女性が来ることも珍しくない」そうだ。
(愛媛新聞)
<メモ>
四、五人分だと、一般的には焼き魚一匹に対し、合わせみそはおたまじゃくしに一・五杯程度。だし汁を濃すぎず、薄からず、たっぷり溶く。好みで、薄く輪切りしたきゅうりや短冊に切ったこんにゃくを加えたりする。
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