ナーベーラー・ンブシー ヘチマ食べ体内きれい | '04/11/30 |
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「ンブシーはナーベーラーの一番簡単で便利な料理」と言う神里さん(右)と宮城敏子さん
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ヘチマといえば、干してあか擦りにするか、あるいは化粧水のイメージが強い。ところが沖縄で食堂に入れば「ゴーヤーチャンプルー」と並ぶ定番メニューが、ヘチマのみそ煮(方言名ナーベーラー・ンブシー)。トロッとしたドゥー汁(ヘチマから出る甘みのある汁)がたまらない。
ヘチマ(ナーベーラー)は、沖縄の夏野菜の代表格。インド原産のヘチマが中国経由で伝来したとみられ、琉球王府時代から食べられていた。現在では周年栽培され、県内で生産されるヘチマのほとんどが食用だ。
県内一番の産地は、那覇市に隣接する南風原町。中でも山川区(約三百世帯、人口約千人)は最も生産量が多い。露地栽培で、つるは地面をはい、今年は何度か台風の被害を受けた。
「水を一切入れないのが、おいしく作るコツ」。生産農家の神里光子さん(66)らが、山川集落センターでナーベーラー・ンブシーを調理してくれた。みそを溶くためのだし汁は入れるが、水は使わない。ナーベーラー自身から多量の水分が出るからだ。「作り方さえ間違えなければ、こんなに手軽でおいしい料理はない」と神里さん。
同じ生産農家の神里貞雄さん(72)は「ヘチマ水を顔に付けるよりも実を食べた方がいい。食べれば体の中からきれいにしてくれるからね」と笑う。ヘチマには十一種ものサポニンが含まれ、皮膚を元気にしてくれる。「味に癖がないから飽きがこない。スタミナがつくし、二日酔いにも、もってこい」と、ナーベーラー自慢は尽きない。
(琉球新報) =おわり
<メモ>
食用に適すのは長さ三十センチ足らずの幼果。ンブシーには豆腐が必ず入る。豚肉かポーク、ツナ(いずれも缶詰)を入れ、みそは赤か合わせみそ。みそをだし汁で溶いて煮る。湯がいて酢みそなどで味付けしたあえ物もおいしい。
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