震災負けへん 熱く湯気 路地裏の鍋焼きラーメン(高知県須崎) | '02/9/7 |
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異境へとネオンが競う。本場の味を求め、人波は続く(神戸市中央区栄町通)
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夕暮れ時、楼門から人の波が続く。立ち並ぶ中国料理店のネオンが雑踏をほのかに照らし、店先の屋台から立ち上る湯気が光の色をにじませる。豚まん、から揚げ、ごま団子…。屋台をのぞいていた若いカップルは、道でフカヒレラーメンをすすり始めた。神戸の中の、異境。
東西百六十メートル、幅八メートルの通りを中心とする南京町は、神戸の開港からほどなくして生まれた。戦後に一時衰退したが、華僑たちは楼門や彫刻を街区に配し、港町のエキゾチックな表情に磨きをかけてきた。
一九九五年の阪神大震災。店は軒並み被災した。「南京町はへこたれへん」と、店主らは道に屋台を出した。雑然、混とん、熱気。それが観光客をより魅了した。 狭い通りで、歴史と食文化が発酵し続ける。
(写真と文・岡本好太郎=神戸新聞)
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