お参り客もてなす甘味 お伊勢さんの名物赤福(三重県伊勢市) | '02/9/10 |
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参宮者でにぎわうおかげ横丁入り口にある名物もちの「赤福」本店。昔ながらの赤いかまどで湯を沸かし、もてなす心を今に伝える(伊勢市宇治中之切町)
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「伊勢に行きたや、伊勢路が見たや、せめて一生一度でも」と歌われる三重県伊勢市の伊勢神宮。
その門前町の一角に「おはらい町」がある。江戸時代のおかげ参りの故事と、商いの感謝の気持ちが
名の由来。当時の風情を残す建物を復元し石畳に沿って軒を並べ、てこね寿司や伊勢うどんなど、お国
自慢の味が楽しめる。
中でも人気は、ほどよい甘さのこしあんを使った赤福もち。横丁入り口の茶屋はお参り客が立ち寄る
姿が絶えず、昨年度は約六十六万人が来店した。店員は大忙しで、火の神様をかたどった伝統のかまど
で湯を沸かし、お茶を添える。
浜田益嗣社長(65)は「お伊勢さんへの道は神を迎える道。旅人をもてなす心が、独自の食文化を生み
出したのでは」と話す。
(写真と文 岡田道弘=中日新聞)
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