稲穂のカーテン、今は昔 はさ木の並木(新潟県新津) | '02/9/13 |
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今では稲が掛けられることもほとんどなくなった「はさ木」だが、伝統的な農村風景を求めて写真撮影やスケッチに訪れる人々を楽しませている(新津市満願寺)
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吹き抜ける風にさわやかなものが交じるころ、一面に広がる緑の水田が実りの季節へと色づき始める。
水田のわきに立つ「はさ木」。刈り取った稲を掛けて乾燥させるためのもので、かつては新潟県内の
農村部ではなじみの光景だったが、農業の機械化とともに徐々に姿を消していった。
新潟県新津市満願寺では集落から市街地へ続く道の両側におよそ一キロにわたってはさ木が並ぶ。同
地区では、一九四三(昭和十八)―四五年の水田の区画整理の際に関係農家二十六軒の協力で現在の場
所へはさ木を移植、八二年には同市の文化財に指定され、その姿をとどめている。
「小さいころ、ずらりと稲が掛けられた景色は見事だったなあ」。周辺で稲作を手がける小嶋健さん
(59)は並木を見つめて原風景を振り返った。
(文と写真・荒川慶太=新潟日報)
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