舞妓の髪 華やかに彩り 京都花かんざし | '05/5/23 |
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京を清涼感ある淡い色で彩る初夏の花かんざし。舞妓の愛らしさが一層引き立つ(京都市東山区四条通花見小路西入ル「金竹堂」)
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花びら一枚ずつをピンセットで丹念にのりづけする。精密機械の組み立てを思わす手元に、六月の紫陽花(あじさい)が、徐々にかれんな姿を現してくる。
四月の花は桜、五月はフジ。花街では、月ごとに変わる舞妓(まいこ)の髪飾りで、季節の移ろいを知る。花街の一つ祇園にある金竹堂(きんたけどう)は、創業が江戸末期。舞妓の装いに欠かせない花かんざしの多くを手掛ける老舗だ。
五代目で、かんざし職人の定永光夫さん(49)は「過ごしにくい京の夏はこれから。涼しげな淡い色あいで、かわいらしくないと」と、紫陽花へのこだわりを語る。
花びらの材料となる絹地・羽二重の調達もひと苦労。染め屋さんもかんざし職人同様、後継者が不足がちだ。「すぐにおまつり(祇園祭)用の製作にかからないと」。伝統を支える職人たちは、古都の季節をひと足先に駆けていく。
(写真と文・坂本佳文=京都新聞社)
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