中国新聞オンライン
北限の茶畑 新芽柔らか 一番摘み'05/5/26

茶摘みをする女性はみんなベテランぞろい。慣れた手つきでせっせと芽を摘んでいく(新潟県村上市肴町)
初夏をゆく  住宅地のはざまにこぢんまりとある緑の一画。薄い黄緑色の柔らかな新芽が畝の表面を彩る。北限の茶どころ新潟県北部の村上市で、新茶の一番摘みが最盛期を迎えている。

 「おかぶり」といわれる日よけをかぶった女性が、汗をにじませながら手際よく新芽を摘んではカゴに入れていた。

 茨城から新潟を結ぶ線以南が産業的に茶栽培が成り立つ地域といわれ、「北限の茶」と呼ばれるゆえん。江戸時代初期に藩の貴重な収入源として奨励された。最盛期には四百ヘクタールあった栽培面積も、開発などで今は二十ヘクタールに減った。

 同市肴町の常磐園(矢部徹也社長)では、雪よけのビニールハウスをかぶせ「ヤブキタ」を栽培。矢部社長(45)は「例年より一週間作業が遅れたが甘みが強く渋みの少ない、いい茶ができた」と満足げ。茶摘みは六月上旬ごろまで行われる。

(写真と文・佐藤尚=新潟日報)
地図

Menu Back Next