手筒花火 「血がたぎる」荒々しさ | '07/11/06 |
|
 |
豪快に火柱を噴き上げ、打ち上げられる手筒花火。火の粉を浴びて、男衆は神々しく見えた(愛知県豊橋市、松葉公園)
|
火の粉が降り注ぎ、ごう音とともに爆裂する手筒花火。愛知県豊橋市は手筒花火の発祥地。十月になると多くの神社で火柱が舞い上がる。
神社付近は、そり上げた丸刈りの男衆が目立つ。“ハク”を付けたこわもての男衆は、「火の粉がツルっと滑り落ちるからこっちの方が安全だ」。なるほど、髪の毛が燃えるぐらいならそってしまえということか。
徳川家康は火薬を極秘扱いとした。徳川発祥の地の三河のみに研究を許し、実験途中で、祭礼の花火奉納として生まれたのが手筒花火である。約四百五十年前から伝わり、五穀豊穣(ほうじょう)、無病息災を祈る。
あたりにとどろく爆竹音に、「血がたぎる」と男衆。さく裂する音と閃光(せんこう)は、東三河の荒々しい気性がよく似合う。
(写真と文・畦地巧輝=中日新聞)
Menu Back Next
|