コウノトリ 最後の生息地 再び雄姿 | '07/11/08 |
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餌場のビオトープから飛び立つコウノトリの親子(兵庫県豊岡市河谷)
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山の端の雲間から差し込む陽光が強さを増していく。収穫を終えた田畑が黄金色に染まる。そこに国の特別天然記念物コウノトリの親子三羽が、じっとたたずんでいた。
兵庫県北部の豊岡市は、絶滅した野生コウノトリの最後の生息地。かつての姿を取り戻そうと、県立コウノトリの郷(さと)公園が中心となり人工繁殖や飼育に取り組んできた。二年前からは放鳥を開始。今夏には、自然界に戻ったペアから一羽のひなが生まれ巣立った。国内では四十六年ぶりの“慶事”だった。
三羽がねぐらへと飛び立つ瞬間、北風があぜのススキを揺らした。秋の深まりは冬の入り口。間もなく風花が舞い、やがて辺り一面に雪が。育ち盛りのひなに十分な餌が与えられるのか、家族の力が試される季節は目前に迫っている。
(写真と文・宮路博志=神戸新聞)
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